日本で銃を持つことは禁止されているのになぜ猟銃を持つことができるの?
「銃」と「猟銃」は別物なの?
そんな素朴な疑問をもったことはありませんか?
今回は、猟銃をもつことができる理由について解説します。
日本には、銃砲刀剣類所持等取締法(以下「銃刀法」という。)という法律があります。
この法律は、「銃砲」、「クロスボウ」、「刀剣類」は、殺傷用具としての機能があり、犯罪などに用いられる危険性があるため、原則としてその所持を禁止しています。
ですが・・・
その一方で、それらは産業、スポーツその他の目的に用いられて社会的有用性があるという面もあります。
そこで、一定の資格要件など厳格な規制のもとに禁止が解除された場合に限り所持することができるようにしています。
これが許可制度です。
実際に銃刀法の条文をみながら掘り下げていきます。
【銃刀法第3条(所持の禁止)】一部抜粋
何人も、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、銃砲若しくはクロスボウ又は刀剣類を所持してはならない。
一 法令に基づき職務のため所持する場合
二 (省略)
三 第四条又は第六条の規定による許可を受けたものを当該許可を受けた者が所持する場合
(四~十四省略)
十五 第十号に掲げる場合のほか、事業場の所在地を管轄する都道府県公安委員会に届け出て輸出のための刀剣類の製作を業とする者がその製作に係るものを業務のため所持する場合又は当該刀剣類について輸出の取扱いを委託された者がその委託を受けたものを輸出のため所持する場合
この条文によって、銃砲、クロスボウ、刀剣類の所持を禁止しています。
そして、第一号から第十五号までが例外規定です。
つまり、第一号から第十五号までのいずれかに該当すれば所持ができる、禁止が解除されるということになります。
では、猟銃はこの例外規定のどこに該当するのでしょうか。
結論からいいますと第三号です。
「第四条又は第六条の規定による許可を受けたものを当該許可を受けた者が所持する場合」
【銃刀法第4条(許可)】一部抜粋
次の各号のいずれかに該当する者は、所持しようとする銃砲等又は刀剣類ごとに、その所持について、住所地を管轄する都道府県公安委員会の許可を受けなければならない。
一 狩猟、有害鳥獣駆除又は標的射撃の用途に供するため、猟銃若しくは空気銃又はクロスボウを所持しようとする者
二 人命救助、動物麻酔、と殺又は漁業、建設業その他の産業の用途に供するため、それぞれ、救命索発射銃若しくは救命用信号銃、麻酔銃、と殺銃又は捕鯨砲、もり銃若しくは捕鯨用標識銃、建設用びよう打銃若しくは建設用綱索発射銃その他の産業の用途に供するため必要な銃砲で政令で定めるものを所持しようとする者
(三~九省略)
十 博物館その他これに類する施設において展示物として公衆の観覧に供するため、銃砲等又は刀剣類を所持しようとする者
【銃刀法第6条(国際競技に参加する外国人に対する許可の特例】抜粋
本邦において開催される銃砲等又は刀剣類を使用する国際競技に参加するため入国する外国人は、当該国際競技に用いる銃砲等又は刀剣類の所持について、出入国港の所在地を管轄する都道府県公安委員会の許可を受けなければならない。
第4条と第6条の条文をみてもわかるとおり、日本人にかかる猟銃の許可については第4条ということになります。
この第4条によって、許可制度が規定されています。
つまり、第一号から第十号のいずれかに該当する人は、許可を受けてください。
そうすれば銃砲、クロスボウ、刀剣類の所持の禁止を解除しますよということです。
さらに掘り下げます。
現在は、「ジビエで事業をやるためにシカを獲りたい」「農業被害を防ぐために害獣駆除をしたい」「クレー射撃競技をやりたい」という多くの方が実際に許可を受けて猟銃などを所持しています。
では、この根拠はどこにあるのでしょうか。
それが第4条の中の第一号にあたります。
「狩猟、有害鳥獣駆除又は標的射撃の用途に供するため、猟銃若しくは空気銃又はクロスボウを所持しようとする者」
これは、「狩猟」、「有害鳥獣駆除」、「標的射撃」の目的で猟銃、空気銃、クロスボウを所持したい人にだけ許可しますよということを意味しています。
ですから、それ以外の目的では許可されないということはいうまでもありません。
もちろん、すでに許可を受けている人がこの目的以外の使用をした場合は違反ということになります。
まとめ
・銃刀法第3条で、例外規定に該当する場合を除き、銃砲、クロスボウ、刀剣類の所持が原則禁止されている。
・例外規定の中に「第4条の許可を受けた者」がある。
・第4条で許可制度が規定されており、各号に該当する者は許可を受けなければならない。
・第4条各号の中の一つに、「狩猟、有害鳥獣駆除、標的射撃の目的で猟銃、空気銃、クロスボウを所持したい人」とある。
・許可を受けることができれば、所持の禁止が解除され、猟銃を所持することができる。
(参考文献:注釈銃砲刀剣類所持等取締法【第3版】辻義之(監修)/大塚尚(著)/立花書房)