銃砲刀剣類所持等取締法(以下「銃刀法」という」。)第4条第1項第1号(狩猟、有害鳥獣駆除、標的射撃の用途)の許可にかかる猟銃、空気銃、クロスボウに対する追加的な許可基準の続きです。
今回は、銃刀法第5条の2第2項について説明します。
【銃刀法第5条の2第2項】抜粋
都道府県公安委員会は、第四条第一項第一号の規定による猟銃の所持の許可を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、許可をしてはならない。
一 二十歳に満たない者(政令で定めるところにより政令で定める者から推薦された者にあつては、十八歳に満たない者)
二 人の生命又は身体を害する罪(死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮に当たるものに限る。)で政令で定めるものに当たる違法な行為をした日から起算して十年を経過していない者
三 銃砲等、刀剣類、第二十一条の三第一項に規定する準空気銃又は第二十二条に規定する刃物(第二十四条の二において「銃砲刀剣類等」という。)を使用して、前号に規定する罪以外の凶悪な罪(死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮に当たるものに限る。)で政令で定めるものに当たる違法な行為をした日から起算して十年を経過していない者
➤銃刀法第5条の2第2項第1号
第1号には、年齢の要件についてのことが書かれています。
銃刀法第5条第1項第1号では、銃砲等や刀剣類の一般的な年齢の要件が18歳以上と規定しています。
しかし、第4条第1項第1号(狩猟、有害鳥獣駆除、標的射撃の用途)の許可にかかる猟銃、空気銃、クロスボウの許可を受けようとする人については、20歳以上と規定しています。
これは狩猟免許の制限年齢と同様です。
ただし、射撃競技の選手や候補者については、一定の推薦を受けた人に限り、例外的に18歳以上とされています。
➤銃刀法第5条の2第2項第2号
第2号は、重大な違法行為をした日から10年を経過していない人には許可しませんよというものです。
対象となるのは、長期3年以上の懲役又は禁錮よりも重い法定刑が定められている人の生命又は身体を害する罪のうち、政令で定められたものに当たる違法な行為をした人です。
政令で定めるものについては、銃刀法施行令第12条第1項に列記されています。
その内容を大別すると、以下の3つに分類できます。
・人の生命又は身体を保護法益とする罪(殺人、傷害等)
・人の生命又は身体に対して重大な危害を与えた結果的加重犯(不同意わいせつ等致死傷等)
・国家の安全や社会公共の安全を保護法益とする罪のうち人の死傷の結果が生じる蓋然性が高いと認められる罪(爆発物取締罰則違反等)
ここでの注意点としては、「違法な行為」であることです。
ですから、
「正当業務行為」
「正当防衛」
「緊急避難」
のように違法性阻却事由がある場合は該当しません。
しかし、有責性の有無は問いませんので、
「責任無能力や刑事未成年であったとしても違法な行為がなされれば該当する」
ということになります。
また、
「銃砲刀剣類等を使用した行為である必要はない」
ということと、「違法な行為」をすることをもって足りるので、
「有罪判決が確定することはもとより、起訴や捜査の開始が要件ではない」
ということです。
➤銃刀法第5条の2第2項第3号
第3号は、銃砲刀剣類等を使用して違法行為をした日から10年を経過していない人には許可しませんよというものです。
「使用して」ということなので、
「銃砲刀剣類等の凶器を一般的な方法により手段として用いる」
ということです。
銃砲の発射などが典型的な例ですが、そこまでしなくても銃砲や刃物をちらつかせて恐喝行為をするような場合も該当します。
ただ、実際には所持していない銃砲刀剣類等をあたかも所持しているように装って犯罪行為をした場合は、それを「使用して」とはいえません。
まとめ
第4条第1項第1号(狩猟、有害鳥獣駆除、標的射撃の用途)の許可を受けようとする人は、次のいずれかに該当すると許可を受けることができません。
・年齢が20歳未満の人
・重大な違法行為をした日から10年を経過していない人
・銃砲刀剣類等を使用して違法行為をした日から10年を経過していない人
(参考文献:注釈銃砲刀剣類所持等取締法【第3版】辻義之(監修)/大塚尚(著)/立花書房)