銃砲刀剣類所持等取締法(以下「銃刀法」という。)では、銃砲等又は刀剣類の所持許可に関する許可の基準を規定しています。
それが銃刀法の「第5条」と「第5条の2」です。
銃砲等又は刀剣類を所持しようとする人が、銃刀法第4条第1項各号のいずれかに該当する場合であっても、危害予防の観点から、一定の基準に該当する場合は、許可は下りません。
この一定の基準のことを「欠格事由」といいます。
欠格事由には、全体に共通するもの(第5条)と、猟銃、空気銃又はクロスボウに関する加重的な特例(第5条の2)があります。
【銃刀法第5条(許可の基準)】抜粋
都道府県公安委員会は、第四条の規定による許可を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当する場合又は許可申請書若しくはその添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けている場合においては、許可をしてはならない。
一 十八歳に満たない者(空気銃の所持の許可を受けようとする者で、国際的な規模で開催される政令で定める運動競技会の空気銃射撃競技に参加する選手又はその候補者として適当であるとして政令で定める者から推薦されたものにあつては、十四歳に満たない者)
二 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
三 精神障害若しくは発作による意識障害をもたらしその他銃砲等若しくは刀剣類の適正な取扱いに支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものにかかつている者又は介護保険法第五条の二第一項に規定する認知症である者
四 アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者
五 自己の行為の是非を判別し、又はその判別に従つて行動する能力がなく、又は著しく低い者(第一号、第三号又は前号に該当する者を除く。)
六 住居の定まらない者
七 第十一条第一項第一号若しくは第二号に該当したことにより同項の規定により許可を取り消され、又は同条第三項、第四項、第六項若しくは第七項の規定により許可を取り消された日から起算して五年を経過していない者
八 第十一条第一項第四号に該当したことにより同項の規定により許可を取り消された日から起算して十年を経過していない者
九 第十一条第一項第一号、第二号若しくは第四号、第三項、第四項、第六項又は第七項の規定による許可の取消処分に係る聴聞の期日及び場所が公示された日から当該処分をする日又は当該処分をしないことを決定する日までの間に当該処分に係る銃砲等又は刀剣類を譲り渡し、その他自己の意思に基づいて所持しないこととなつた者(銃砲等又は刀剣類を所持しないこととなつたことについて相当な理由がある者を除く。)で当該所持しないこととなつた日から起算して五年(同条第一項第四号の規定による許可の取消処分に係る者にあつては、十年)を経過していないもの
十 第十一条の三第一項第一号に該当したことにより同項の規定により第九条の十三第二項の年少射撃資格の認定(以下この号及び次号において「年少射撃資格の認定」という。)を取り消され、又は第十一条の三第二項の規定により年少射撃資格の認定を取り消された日から起算して五年を経過していない者
十一 第十一条の三第一項第三号に該当したことにより同項の規定により年少射撃資格の認定を取り消された日から起算して十年を経過していない者
十二 禁錮以上の刑に処せられた者で、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して五年を経過していないもの
十三 この法律若しくはこれに基づく命令の規定若しくはこれらに基づく処分に違反し、又は火薬類取締法第五十条の二第一項の規定の適用を受ける火薬類について同法若しくはこれに基づく命令の規定若しくはこれらに基づく処分に違反して罰金の刑に処せられた者で、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して五年を経過していないもの
十四 次条第二項第二号又は第三号に規定する行為をして罰金の刑に処せられた者で、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して五年を経過していないもの(前号に該当する者を除く。)
十五 ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成十二年法律第八十一号)第二条第四項に規定するストーカー行為をし、同法第四条第一項の規定による警告を受け、又は同法第五条第一項の規定による命令若しくは同条第九項の規定によるその延長の処分を受けた日から起算して三年を経過していない者
十六 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成十三年法律第三十一号)第十条第一項又は第十条の二の規定(同法第二十八条の二において読み替えて準用する場合を含む。)による命令を受けた日から起算して三年を経過していない者
十七 集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
十八 他人の生命、身体若しくは財産若しくは公共の安全を害し、又は自殺をするおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者(前号に該当する者を除く。)
2 都道府県公安委員会は、第四条の三第一項に規定する者が同項の規定による検査を受けず、又は同条第二項の規定による命令に応じなかつた場合においては、許可をしてはならない。
3 都道府県公安委員会は、変装銃砲刀剣類等又はその構造若しくは機能が政令で定める基準に適合しない銃砲等については、許可をしてはならない。
4 都道府県公安委員会は、第四条の規定による銃砲等の所持の許可を受けようとする者が第十条の四第二項の内閣府令で定める基準に適合する保管設備を有している場合でなければ、許可をしてはならない。ただし、その者が当該銃砲等の保管を専ら第十条の五、第十条の八又は第十条の八の二の規定により他の者に委託して行う場合は、この限りでない。
5 都道府県公安委員会は、第四条の規定による許可を受けようとする者に第一項第三号から第五号まで又は第十五号から第十八号までに該当する同居の親族(配偶者については、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下この項及び第八条第七項において同じ。)がある場合において、その同居の親族が当該許可の申請に係る銃砲等又は刀剣類を使用して他人の生命、身体若しくは財産若しくは公共の安全を害し、又は自殺をするおそれがあると認められる者であるときは、許可をしないことができる。
第5条で規定されている欠格事由は、大きく6つあります。
①許可申請書等の重要事項に虚偽記載や不記載がある場合
②申請者に人的欠格事由がある場合
③申請者に人的欠格事由に該当するおそれがある場合
④申請にかかる銃砲等又は刀剣類に物的欠格事由がある場合
⑤保管設備に物的欠格事由がある場合
⑥同居の親族に欠格事由がある場合
第5条の2の解説については、ここでは割愛します。
「第5条」と「第5条の2」の欠格事由は、許可申請の審査段階で適用されるものです。
ですが、許可後にそれらの基準に該当するに至ったときは、許可が取り消されることがあります。
(参考文献:注釈銃砲刀剣類所持等取締法【第3版】辻義之(監修)/大塚尚(著)/立花書房)