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「拘禁刑」とは?懲役・禁錮の統合による新しい刑罰制度をわかりやすく解説!


1.2025年から始まった「拘禁刑」ってなに?

2025年6月1日、刑法が大きく変わり、「懲役刑」と「禁錮刑」が一本化されて、「拘禁刑(こうきんけい)」という新しい刑罰が導入されました。

この変更は、明治時代から続いてきた刑罰制度を見直し、現代の社会情勢に合わせて再構築する大きな改革です。

2.これまでの「懲役刑」と「禁錮刑」の違い

これまでの刑罰には次のような違いがありました。

  • 懲役刑:刑務所で作業を強制される
  • 禁錮刑:刑務所に収容されるが、作業はなし(希望すればできる)

たとえば、交通事故などの過失犯には「禁錮刑」が科されることが多く、暴行や窃盗などの故意犯には「懲役刑」が科されることが一般的でした。

3.なぜ一本化されたの?

禁錮刑と懲役刑の違いが、現代ではあまり意味を持たなくなったためです。

近年では、禁錮刑の受刑者にも希望に応じて作業が提供されるなど、懲役と実態がほぼ同じになっていました。

また、社会復帰を目指す矯正教育更生プログラムを受けやすくするために、柔軟な処遇が必要と判断され、拘禁刑に一本化されました。

4.「拘禁刑」のポイントはここ!

拘禁刑は、懲役刑と禁錮刑の両方の性質を合わせ持つ刑罰です。

  • 作業や教育プログラムは受刑者の状況に応じて実施される
  • 原則として刑務所に収容される点は同じ
  • 名前の通り「拘束し、禁じる」刑罰という意味を持つ

つまり、「作業する・しない」「教育を受ける・受けない」を、刑務官や矯正施設が柔軟に判断できる制度です。

5.影響を受けるのは誰?

現在服役中の人にはすぐに影響はありませんが、2025年6月1日以降に起訴され、裁判で刑が確定した人に対しては、拘禁刑が適用されます。

また、これまで「禁錮刑が選ばれやすかった過失犯」などにも、拘禁刑が適用されることで、社会復帰に向けた指導や教育を受ける機会が広がると期待されています。

6.まとめ

「拘禁刑」は、社会の変化に合わせて刑罰のあり方を見直す大きな一歩です。犯罪者の更生や再犯防止をより実効性のあるものにするために、制度が柔軟に運用されるようになりました。


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